抗生物質の徹底ガイド|ジスロマック・クラビット・クラリス

マクロライド系

ジスロマック

マクロライド系の新しい抗生物質で、従来のエリスロマイシンを改良したタイプのニューマクロライドです。優れた抗菌力に加え、肺や上気道に移行性が良いのでよく効きます。1日1回3日間の服用で、既存の同類の薬を7日間から14日間使用した時と同じ効果が得られます

市中肺炎の原因菌の多くは肺炎球菌で次にインフルエンザ菌がり、肺炎クラミジアやマイコプラズマにも効果を発揮します。肺へ移行性が良いのも大きなポイントです。

クラリスが使えないような急性副鼻腔炎にも使うことができ、クラリスは耐性菌への懸念もあり、急性副鼻腔炎には極力使いません。そのために他の抗生物質のジスロマックを使います。

性病にも使用され、クラミジアや淋菌にも効果があります。普通錠250mgの他に600mgの錠剤、1回使いきりタイプの徐放化製剤、小児用のカプセルや細粒もあります。

クラリス

クラリスは相互作用が多く、CYP3A4で代謝されるので代謝が競合し、血中濃度が上がります。クラリスが処方されたら、併用薬は必ず確認するようにします。

マクロライド系の代表的な抗生物質であり、こちらも、エリスロマイシンを改良したタイプのニューマクロライドです。胃酸による不活化をなく、体内に効率よく吸収されます。高い血中濃度を保ち、減期の延長も得られて、さらには組織移行性も優れているのです。

通常は1日2回服用するだけで、十分な効果があります。アレルギーを起こす心配がなく、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質にアレルギーを持つ人も、クラリスなら注意すれば使えます。ただし相互作用を起こしやすいので、他の薬との飲み合わせに注意です。

ニューキノロン系

クラビット

ニューキノロン系と呼ばれる抗生物質です。旧来の抗生物質よりも抗菌力が強く、様々な細菌に効果的です。病巣への移行が良く、飲み薬では治療が困難な難治性の感染症にも効果的です。しかも副作用も少く、ペニシリン系やセフェム系抗生物質にアレルギーがある人も、注意すれば使えます。

ニューキノロンの中でも、特に抗菌活性が強いです。呼吸器感染症の治療に適している「レスピラトリーキノロン」と細分類します。抗菌スペクトルが広いので、呼吸器感染症の肺炎球菌や、ペニシリン系などの抗生物質が効きづらい肺炎クラミジアや肺炎マイコプラズマにでも効果を示します。従来品のオフロキサシンを主成分とするタリビッドから処方が移り、国内で最も使用される抗菌薬の一つです。